「もはや長友選手はナポリ人」--ゴールデン・フット・アワードに選出された中田英寿氏が授賞式で、セリエAで活躍する2人の後輩たちについて語る

2014年10月17日 23:43

元サッカー日本代表でセリエAのローマなどでプレーした中田英寿氏(36歳)がこのほど、2014年の「ゴールデン・フット・アワード」に選出され、モナコで行われた授賞式に出席した。
ゴールデン・フット・アワードは2003年に設立された賞で、メディアやファンの投票によって選出された29歳以上の現役選手1名と、サッカー界の歴史に貢献した引退選手に贈られる「オール・タイム・レジェンド」を選出するもの。中田氏はアジア人初の受賞者となった。
授賞式では、イタリアメディアからのインタビューを受けたが、その模様をガゼッタ・デッロ・スポルト紙オンライン版が動画で紹介している。

https://video.gazzetta.it/nakata-forza-roma-vincerai-scudetto/8d1cf210-525c-11e4-8e69-6eb6bd0d6690

イタリアを離れて早10年近くが経つが、いまもなお中田氏はイタリアの多くのサッカーファンに愛され、とりわけローマにおける知名度は高い。流ちょうなイタリア語で時折ジョークも交えて、イタリアへの想いやローマ時代のフランチェスコ・トッティ選手との関係、さらに本田圭佑、長友佑都の両日本人選手などについてコメントしている。

 

一問一答は次の通り。

 

――イタリアを離れてかなりの歳月が経ちましたが、当時を振り返って印象に残っていることは何ですか?

中田 イタリアは自分にとって「第二の故郷」。僕はイタリアの人間、ファッション、食べ物、建築、歴史を愛している。すべての町が美しく、どこに行っても美味しい料理が食べられる。

――現在、セリエAは経済的にかなり苦しい状態が続いています。もし、若いころに戻ってヨーロッパでプレーするとすれば、リーガ・エスパニョーラ、ブンデスリーグ、プレミアリーグ、それともセリエA、どこでしょうか?

中田 再びセリエAでプレーしたい。7年間イタリアでプレーした後、1年間英国でプレーしたが、イタリアのサッカーのほうが僕は好きだ。確かにセリエAには以前のような経済力はないが、それでもイタリアのカルチョがいい。

――今季のセリエAは、あなたがローマでプレーしていた時と同じように、ユヴェントゥスとローマの争いになっていますが、最終的にスクデットを獲得するのはどちらだと思いますか?

中田 それは、ローマの選手だった僕にしてみれば、当然、ローマと答えるところでしょう(笑)。ここ数年、ユーヴェはとても強いので簡単なことではないが、それでもローマがスクデットを獲りますよ。

――ローマ時代、あなたとトッティ選手との関係はどうだったのでしょうか? (ポジションが同じで)片方が試合に出ればもう片方はベンチという状況でしたが、ピッチの外での2人の関係はどんな感じでしたか?

中田 当時は2人とも若かったから……。(彼が出場して自分が)プレーできない時は、正直、心の中では怒っていた。それでも、ピッチの外では仲はよかった。もしいまも一緒にプレーしていたなら、もっと理解し合っていたと思う。現在も彼とはいい関係が続いている。

――現在セリエAでプレーしている2人の日本人選手についてはどうですか? 本田圭佑選手は昨シーズンとは別人のような活躍を見せていますが。

中田 イタリアのサッカーに適応するのは(日本人にとって)難しい。自分もイタリアでの最初の年やクラブを移籍したばかりの頃はそうだった。本田選手は昨年、ロシアリーグからシーズン途中に移籍してきたから、なおさら順応するのに苦労したと思う。でも、彼のことを信頼して欲しい。彼は決して皆を落胆させたりはしないから。今季はこのまま現在の調子を最後まで保ち、素晴らしいシーズンになると思う。

――長友選手についてはどうですか? いまやキャプテンマークを付けて試合に出場することもありますが。

中田 彼はもはや「ナポリの日本人」になったよね。そう、イタリア人というよりもナポリ人。誰ももう彼のことを日本人だとは思っちゃいけないよね(笑)。